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玄想庵のお正月飾り

昨年12月、Otonami講座にてご参加された皆様には「飾り炭」と「掛蓬莱」というお正月飾りを体験していただきました。

Otonami講座予約ページはこちら↓↓↓

https://otonami.jp/experiences/gensouan/?utm_medium=referral&utm_campaign=referral_gensouan

玄想庵では同様の素材を使いつつ、お正月飾りで建物を彩っています。

上の写真はギャラリースペースの飾りです。仙人が住むと言われる蓬莱山に登る龍に見立てた、平安時代から続く伝統的なお正月飾りである「掛蓬莱」を中心に配しています。こちらはヒカゲノカズラという長いシダ植物を束ねたものに五色の飾りや稲穂などをつけています。ヒカゲノカズラは長ければ長いほど良いとされているようです。

掛蓬莱の左の面は「嵯峨面」という和紙でできた干支面で、よく見ると頭に白い巳を戴いています。

巳=蛇は、蓄財や芸能の女神である弁財天の化身とも言われている他、脱皮して成長することから復活と再生の象徴とされています。今年は新しいことに挑戦してみると良い年になるかもしれませんね。

左下には米俵を表した飾りを置いています。米は日本人にとって欠かせない食物。五穀豊穣を願う気持ちが込められています。

右には鏡餅を三方に載せて。近年では紙の三方やプラスチックの小さな橙などの飾り付きで、プラスチックの鏡餅型容器の中に切り餅が入っているものもお店で見かけますね。

鏡餅は丸い形のお餅を神様が宿る鏡に見立てており、お正月に家々を訪れてくれる年神様に滞在していただくための依代です。

お餅を2段に重ねるのは諸説ありますが、大小2つのお餅が月(陰)と日(陽)を表しているという説のほか、「幸福」と「財産」を表していて縁起が良い、円満に年を重ねるなどの意味が込められています。地域によっては3段重ねるところもあるそうです。

また、お餅に橙が載る形は、人の魂が宿る「心臓」や稲作には欠かせない「太陽」を模しているという説や、その上にさらに串に刺した柿を飾って、日本書紀に登場する三種の神器である八咫鏡(お餅)、八尺瓊勾玉(橙)、草薙剣(串柿)を表しているという説があります。串柿を載せている鏡餅はあまり見かけませんが、串柿には5個、または10個の柿を串に刺したものを用いるため、それなりに大きなお餅でないとバランスをとりづらいことから省略されていることが多いのかもしれませんね。

ちなみに鏡餅は1月11日に鏡開きをしてお雑煮やお汁粉にしていただくご家庭が多いかと思いますが、開くときには刃物で切ってはいけないとされています。木槌で叩いて割ったり、お水につけておいて柔らかくしてから分けると良いようです。小さなものなら、器に入れ、お餅とお餅がかぶる程度のお水を入れて、様子を見ながら電子レンジにかけると簡単に柔らかくすることができます。

続きまして玄関スペースご紹介。こちらには餅花を飾っています。

餅花は小正月の飾りです。ヤナギやヌルデ、エノキ、ミズキなどの枝に、紅白のお餅をつけたもので、これは柳の枝を使っています。枝がゆらゆらと揺れる様はとても可愛らしいです。

小正月はもともと旧暦1月15日、その年初めての満月の日のことを示しました。正月を「大正月」、おめでたい満月の日を「小正月」と呼び、年末からお正月へと続く行事の締めくくりのような役割を果たしていたようです。また、古くはお正月の接客等で忙しかった女性を労う日として男性が家事したり、女性が帰省したりする日としていた地域があり、「女正月」とも言われたようです。

この日には神社などで行われる「どんど焼き」が行われることが多いようです。お正月飾りや書き初めなどを願いを込めて焚く火祭りですが、この煙に乗って年神様がお山に帰っていかれるそうです。この火で焼いたお餅やお団子を食べたり、煙を浴びたりすると一年を無病息災で過ごせると言われています。

お正月が過ぎたら今度は節分がやってきます。煩悩や欲望を強う持つ人の心に棲みつき、病気や不幸のもとになる「鬼」を豆(魔滅)や柊鰯の飾りで追い払う行事を行う日です。

豆まきだけでなく、春からの無病息災を願って節分の飾りを用意してみるのも楽しいですね。

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