1月Otonaimi講座−日本の暦に寄り添う12ヶ月の床飾り体験とお茶の時間−
1月23日、Otonamiさんを通じて行なっている体験プログラムでは春の訪れを待ちわびながら節分をテーマとした床飾りの制作を行いました。
12月の体験内容はこちら↓↓↓
この日の様子をご紹介いたします。
玄関入ると蝋梅、南天、松に菊がお出迎え。
南天は縁起物の植物として日本では古くから愛されています。ナンテンという音の響きから「難転」と掛け、「「難を転じて幸と成す」と解すだけでなく、鎮咳の生薬として用いられることでもよく知られています。江戸時代には南天を庭に植えると火災を避けられると信じられ、庭や玄関先に植える風習があったそうです。
奥座敷にはお膳に紅白の紙を敷き、枡に炒り大豆と南天、柊を飾っています。白っぽくて丸い大豆と赤くて丸い南天の実、緑のトゲトゲした柊の色のコントラストが可愛らしい飾りになっています。
柊はこのトゲトゲの葉っぱが鬼の目を刺すため、悪霊を寄せつけないという縁起物です。柊に鰯の頭を刺した「柊鰯」も節分の飾りとして有名です。鰯は焼いた匂いが鬼を寄せ付けないという説や、逆に焼いた匂いで鬼を誘き寄せて柊で刺す、というなかなか物騒な説があります。
豆、柊、鰯、南天などを組み合わせて飾れば、この一年に鬼を寄せ付けず、健やかに過ごせるような効果がありそうです。
今回のOtonami講座ではこれらを組み合わせた床飾りを体験して頂きました。
こちらの飾りは、藁に柊、唐辛子、鰯(乾燥した小さなもの)を合わせています。唐辛子も赤い色が魔除けになるといわれている縁起物です。
体験の皆さまにはこの飾りと、松や南天の実、苔などを入れた枡飾り作りを体験して頂きました。
皆さんとても可愛らしい素敵な飾りを作り上げておられました。
そもそも節分とは、太陽の動きをもとに季節を分けた二十四節気のうち、季節の変わる立春・立夏・立秋・立冬の前日のことなのですが、現代では立春の前日の節分だけが広く知られています。
これは立春が新年の始まりであり、節分が旧暦の大晦日と重なることがあったため、縁起の良い食べ物を食べたり、一年の締めくくりとして悪いものを追い出したりする行事を行なっていたものが、後に伝わっていったためであると考えられます。
節分に豆を撒くのは、中国で行われていた「追儺」という、疫病をもたらす鬼を穀物を撒いて追い払う儀式が元になっています。日本にはこの行事が貴族たちと鬼を追い回す文化として伝わり、やがて豆まきへと変化していったようです。
豆を投げつけるようになったのは、諸説ありますが、豆が「魔滅」に通じることや、五穀(米、麦、アワ、キビ、豆)の中では一番、投げつけると痛いから、というような理由が有名です。「魔滅」の意味を持つので武器として投げつけず、置いてあるだけでも効果がありそうですね。
ちなみに節分の「鬼」とは煩悩や欲望を強く持つ人の心に棲みつき、病気や不幸などの災いを招く存在とされています。
豆、柊、鰯、南天、唐辛子…など、この時期は手に入りやすい素材です。自分でアレンジした飾りを作って鬼を払い、福を呼びこんでみてはいかがでしょうか?
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