お部屋を暗くしたご利用事例〜希莉光あかりで紡ぐ京都〜
2025年1月21日〜26日の6日間、玄想庵新館2階を使って和の灯りの展示会が行われています。
岡山にある、倉敷光作所( https://kura.net)の制作した「希莉光(きりこ)あかり」の作品がずらりと並び、落ち着く音楽が流れ、幻想的な空間が生み出されています。
美しい灯りの作品たちは、これまでには神社等で展示されることが多かったそうです。今回は京都での展示ということで、玄想庵の歴史ある建物を気に入って頂き、会場としてのご利用を決めてくださいました。
華やかな灯りの美しさに目を奪われる今回の展示ですが、この光を引き立てる薄暗い空間は工夫によって作られています。これらの写真を撮影したのは午前の10時すぎくらいでしたが、まるで夜のようです。
玄想庵は東洞院通にある建物です。今回ご利用のお部屋は通りに面したお部屋で東側に窓があります。午前10時はこのお部屋が一番明るくなる時間ですが、足元が不案内にならない程度に暗い空間となっています。
この暗い空間は窓際の障子の向こうの窓を段ボールや暗幕で覆うことで作り出されています。障子の向こう側を工夫しているので、中の空間の雰囲気が損なわれることなく、灯りの美しさとマッチしています。
窓際の障子に映る花火の灯り
つるりとした黒いボードが鏡のような役割を果たし、より幻想的な効果を生みだしています。
白っぽい布が敷かれたところには、下の方の面に施された切り絵の模様が浮かび上がっています。
暗い空間で人の手によって生み出された和の灯りの明るさ。会場を出ると天気の良い昼間は自然光の眩しい光。このギャップがまた不思議な感覚を呼び起こします。
このように暗い空間を作り出し、いつもとは違う表情の玄想庵を知ることができたことは、私たちにとっても新たな発見となりました。
自然光あふれる空間もとても素敵ですが、暗い空間や闇に浮かぶ灯りの空間の方が妙に落ち着くと感じられる方も多いのではないでしょうか。
薄暗い和の空間を生かしたご利用もお待ちしております。