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8月Otonaimi講座−日本の暦に寄り添う12ヶ月の床飾り体験とお茶の時間−

本日は9月9日です。

9月9日を検索すると、99に因んで「救急の日」、きゅうりのキューちゃんの日、ケンタッキーフライドチキンの創業者カーネルサンダース氏の誕生日、ロールケーキの日、健康な足はきゅっ(9)としていると称して健康美脚の日、などなど…「9」という数字の音や形に見立てた記念日が、巷ではたくさん紹介されています。数字が重なる日はそれほど多くはないので、何か意味を持たせて記念日として制定したくなる日なのかもしれませんね。

「9」は一桁の奇数の最大値です。中国では古くから奇数は縁起の良い「陽の数」と考えられていたため、9がふたつ重なる9月9日を「重陽」と呼び、お祝いの宴を開く習慣がありました。

日本でも平安時代に中国から伝わり、宮中の年中行事として家族の健康や子孫繁栄、長寿を願うお祝いとして、この日に「菊の宴」を催す習慣がありました。そのため、9月9日は「重陽の節句」または「菊の節句」などと呼ばれます。

8月末のOtonami講座は、重陽の節句に向けた床飾りの体験を行いました。

菊には邪気を払う力があるとされています。そのため、重陽の節句では菊のエッセンスを含んだものを口にしたり触れたりして、邪気を払い清めるようになったようです。

前日である9月8日、菊の花に赤・白・黄色の綿を翌朝までかぶせて一晩置いておき、露や花の香りを移したもので体を拭うと、菊の効果で若さと美しさを保つことができると信じられています。このように菊に被せた綿をを「菊の被綿(きせわた)」と呼びます。

先日の講座では手軽に手に入る小さな菊で被綿を作り、飾る工夫を楽しみました。この時期、花の大きな菊の被綿をニュース等で見かけることがありますが、小さな菊をふんわり包んだ飾りはとても可愛らしいものとなりました。これならば手軽にご自宅でも楽しめそうですね。

9月に入ったというのに秋の気配をなかなか感じることのできない猛暑の日々が続いていますが、暦を意識すると、季節の変わり目の到来が身近になる心地がします。日本人ならでは感覚を忘れず、大切にしていきたいものですね。

9月のOtonami講座は10月の仲秋の名月に向け、「お月見」をテーマとする予定となっております。

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