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柴田雅章作陶展 −作陶50年記念京都展− 

3月11日(水)より柴田雅章氏による作陶50年記念京都展を開催致します。

柴田さんと言えばスリップウェアの第一人者。土に水を加えたクリーム状の化粧土で装飾して焼き上げるスリップウェアは18世紀以降イギリスで発展したものでしたが、現地では衰退した時期がありました。そんな中、日本で柳宗悦をはじめとした民藝運動家たちがその素晴らしさに惹かれたことで世に再認識され人気を集めていきます。

柴田さんは学生時代に読んだ雑誌「工藝」の中でスリップウェアについて初めて知り、それまでの日本の感覚とは別の印象を得ました。そして初めて実物を目にしたときにその存在感に圧倒されたそうです。

その後柴田さんはスリップウェアとひたむきに向き合い、研究、再現、独自の技法を確立。世界でも初めての英国スリップウェアの図録も制作。さらに歴史や制作過程を収めた映像も公開しました。それを見て制作に取り組む人が増えたことで、世に広く普及したと言っても過言ではありません。通常、作家の財産とも言える制作に必要な情報を公に開示することはなかなかできることではありません。しかし柴田さんはスリップウェアを多くの人に知ってもらい、人の生活の中に根付くこと、そしてさらに良いものが作られていくことを願い、普及に努められたそうです。

「技法を知っているだけで良いものが生まれるわけではない。」

柴田さんは作品づくり全ての工程にこだわりを持ち、ものとしての形になる前の段階、土づくりだけで1年以上もの時間をかけています。

数々の作品が生み出される登り窯も柴田さんの手によって作られたものです。

その内部は何度もたくさんの作品たちが焼かれたことによって釉薬が焼きつき、なんともいえない味わい深い表情となっています。登り窯そのものがひとつのアート作品のようです。

日々の積み重ねの中に宿るもの。季節を感じ、毎日の暮らしを丁寧に営む。柴田さんとお話しさせていただくと美意識は「よく 生きる」中で育まれていくものなのではないかという思いを抱かされます。

丹波篠山にて作品づくりに真摯に向き合ってきた柴田さん。その作陶50年という節目の展覧会を玄想庵で行っていただけることになり、スタッフ一同望外の喜びを感じております。

玄想庵が廣田紬の店の間をギャラリーに改装してから3年が経ちましたがそのオープン記念展を行っていただいたのも柴田さんでした。

今回の展示でもたくさんの作品をご出展いただいています。多くの方に訪れていただき、その素晴らしさ、美しさを感じていただける機会となることを願っております。

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